リーンマーケティング@BtoB への活用

「リーン・スタートアップ」は既に読まれてると言う前提で。。

「リーン・スタートアップ」においては、プロダクトマネジメント、プロダクトマーケティング、(プロダクト・セールス)、プロダクト・サービス、も含めた、小規模なスタートアップ企業において、素早く活動を回すことで、

・不確定な企業立ち上げ時点

での失敗を避ける、正確には「失敗があれば、素早く発見し、早期に是正」していくことで、企業が消失する(バーンアウト)のを避ける方法と言えるでしょう。

で、「リーン・スタートアップ」を BtoB 企業や、中堅以上の企業で適用しようとしても、まず無理です。
企業活動全体で、素早く回すのが可能な企業であれば、リーン・スタートアップを適用する以前に、上手く業務遂行ができてるでしょうから。


とは言っても、「リーン・スタートアップ」のエッセンスは適用できる可能性があります。
「プロダクト・マーケティング」から「プロダクト・セールス」に適用するのです。


見込顧客の創出から、受注までの部分を、素早く、効果測定ができる形で、何度も回す訳です。
実際、ターゲット見込顧客のペルソナ(顧客詳細条件、プロフィール)を仮定しても、それが正しいかは実際に動いてみないと判らないことのほうが多いです。また、一時的に、ペルソナが当たったとしても、市場動向が変化していくと、ペルソナの仮定を変えないと、より伸びている顧客層を失っている可能性もあります。
商材が同一であっても、ペルソナの条件は、顧客がアーリーアダプター主体から、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティへと主体が移るので、変化せざるえません。そこを間違えると、競合企業に負けます。

負けた事例としては、Sony Beta方式ビデオや、Novell NetWare OS などがありますね。初期のアーリーアダプターへのアプローチを続けた事で、後発の競合企業が、マジョリティに訴えるメッセージを出してるのに負けています。


Beta方式ビデオで言えば、初期の映像関係に強いユーザー、「画質に拘るユーザーへの訴えかけ」を主体にするのに拘り、VHS方式と同様な(画質が劣るが)長時間録画が可能な点の訴えが弱かったのが敗因と言えるでしょう。
自分は両方のビデオ方式のデッキを持ってました(アーリーアダプター)が、多くのマジョリティとなる顧客は、画質よりも「長時間録画」、よりエクスペリエンス:経験価値として言えば、時間シフトを望んでいたので、そちらを訴えていた、VHS 方式を選択したと捉えています。

Novell NetWare OS は、PCサーバーのファイル共有OSとして先行していたのですが、やはり、アーリーアダプターの顧客が「技術の詳しい専任の管理者が管理する」ので良いことに拘り、大量の新規顧客が「専任の管理者無しで使える」ことを望んでいるのを無視した点だと捉えています。技術面においては、競合した WindowsNT Server(現在の Windows Server)と、NetWare OS は、簡単さも含めて、当時では商材としては、ほぼ同一でした。しかしながら、マイクロソフト社が「管理者不要、簡単さ」を訴えるのに、Novell 社は「専門管理者を置く」ことと「安定性」を訴えて、マジョリティからの支持がなく、負けていきました。

その頃に Novell社の日本法人と打ち合わせした記憶がありますが、市場が前年比200%アップぐらいで伸びているのに、自社は前年比20%アップなので順調だと主張していて、こいつら大丈夫かと感じたのは忘れられません。残りの180%の部分は、競合企業に持って行かれているのに、言い訳してるようなら、そりゃ衰退しますよね。


で、こういうペルソナ設定のミスを減らす、気がつく為にも、競合比較しつつ、マーケティング活動を素早く回すのが必要だと言う考えで、リーン・マーケティングもありなんじゃないかと考えだしてます。

細かい適用については、別途、書こうと思います。