ドラフト: 商用 Enterprise CMS(HP autonomy 、Oracle WebCenter 、Adobe CQ、etc)って費用対効果を考えると、ドブに金を捨ててないのだろうか?

商用 Enterprise CMS(HP autonomy 、Oracle WebCenterAdobe CQ、etc)って費用対効果を考えると、ドブに金を捨ててないのだろうか?


今の求められている状況として、企業の外向け Webサイトでも、多言語対応、大規模対応、セキュリティ強化が、必須だと捉えています。また、内部サイト、ERP や業務システムの DBMS との連携も当たり前ですよね。


で、2005年ぐらいから、大規模向けWebサイト向けとして、Enterprise CMS が商用製品でも幾つか提供されてきています。初期の頃だと、総ページ数が1千ページ以上で、アクセス頻度が高い(PageView が多い)サイトや、多言語対応が必須と言うことで採用された事例があるのを幾つか公開されてますよね。

だいたい、初期のライセンス費用が、最低でも5千万円以上で、だいたい億円単位でのライセンス費用で構築される。さらに、年間保守費用として、ライセンス費用の2割ぐらいを払うことになっているのが相場だと捉えてます。

これって結構な金食い虫ですよね。
例えば、3億円の初期ライセンスで構築したとして、毎年保守料が6千万円発生していると言うことになります。
サイトの規模にも寄りますが、総ページ数が数十万件でも、今では OSS で対応可能なのが現実ですので。。。



多言語対応、多国籍対応と言う面では、日本語対応しかない国内製品は論外ですので、

・HP autonomy Team Site
http://www.autonomy.co.jp/japan/products/teamsite

Oracle WebCenter

Adobe CQ


などが該当しています。それらと比較してみましょう♪

選定基準として、以下のサイトの記事を参考にしました、3千ページ以上を管理する商用CMSを比較していますね。

CMS比較選定に役立つ 大規模サイトが選択肢に入れるべき代表的な7つのCMS製品(2013年度版)
http://dmj.underworks.co.jp/2013/05/25/content-management-system/


比較する点として絞ると、

・大規模対応
・多言語対応
・海外地域サポート

と考え、それぞれをさらに掘り下げて考えてみます。

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1. 規模での比較

内部はわかりませんので、外部に出ている総Page数をカウントして比較してみます。
Google であれば、site: を付けて、調べたいサイトの URL を入れると総Page数が出てきますね。

Drupal での事例として著名なサイトを見てみると、

・米国ホワイトハウス
site:http://www.whitehouse.gov/ --> 約 96,500 件 (0.28 秒)

NASA アメリカ航空宇宙局
site:http://www.nasa.gov/ --> 約 263,000 件 (0.35 秒)


インプレス社、日本の出版メディア
site:http://www.impressjapan.jp/  約 17,600 件 (0.15 秒)

が、 Drupal で稼働している実績があります(2014年9月7日現在時点)

外部Webサイトがどう構築されているのか?については、ブラウザのアドインツールで、確認することが可能です(Webサイト側が隠蔽してると見えない場合もあります)。
以下の情報が参考になります。私は Wappalyzer と Drupal Version Check を入れて利用しています。

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Wappalyzerはそのサイトで利用されているWebアプリケーションを解析
https://chrome.google.com/webstore/detail/wappalyzer/gppongmhjkpfnbhagpmjfkannfbllamg

Appspector(Chrome snifferの後継アドオン)
https://chrome.google.com/webstore/detail/appspector/homgcnaoacgigpkkljjjekpignblkeae

Drupal Version Check
https://chrome.google.com/webstore/detail/drupal-version-check/cfgkoondhklepebjanihdiedjmibieii


他のウェブサイト分析をする際にオススメのChrome拡張機能8選
http://www.hivelocity.co.jp/blog/30422

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では、高額と予想される商用 EnterpriseCMSの国内事例のサイトを同様に見てみましょう。

まず、HP Autonomy の事例を調べてみます。裏情報で採用してる企業も知ってます(苦笑)が、ここは公式に表明されている所を見繕って行きましょう。

Autonomy 社が HP社に買収されて、今後の方針の記事が見つかりました。

HPでのマーケ推進へ――ヒューレット・パッカードへの統合と今後の方針を伝えたオートノミーユーザー会レポート 2013.07.12.
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2013/07/12/15633


私が知ってる頃って、インターウォーブン社だったんですよね、その後に、オートノミー社に買収されて、さらにHP社に買収された。

        • 記事から引用 ---

日本では2000年8月から「インターウォーブン・ジャパン」として活動している同社は、本社の買収によって2009年にオートノミーとなった。そして2011年にヒューレット・パッカード(HP)に買収され、これまでHPへの統合を進めていた。

        • 引用終了 ---


ここで出てくる国内ユーザー企業としては、

キヤノンマーケティングジャパン
三菱電機
花王
サッポロビール


ですね。これらの企業の総ページ数を同様に調べてみましょう。念の為に、日本語サイトと、海外向け(全世界向け)のサイトを確認します。


キヤノンマーケティングジャパン

 site:http://canon.jp/ --> 約 130,000 件 (0.27 秒)
site:http://canon.com/ --> 約 145,000 件 (0.26 秒)


三菱電機

site:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ --> 約 557,000 件 (0.24 秒)
site:http://www.mitsubishielectric.com/ --> 約 16,100 件 (0.15 秒)


花王

site:http://www.kao.com/jp/ --> 約 7,760 件 (0.27 秒)
site:http://www.kao.com/ --> 約 12,600 件 (0.28 秒)
site:http://www.kaobrands.com/ --> 約 61 件 (0.15 秒)
site:http://chemical.kao.com/ --> 約 12,800 件 (0.23 秒)


サッポロビール

site:http://www.sapporobeer.jp/ --> 約 54,100 件 (0.31 秒)
site:http://sapporobeer.com/ ---> 9 件 (0.21 秒)



DrupalNASA が26万ページ、米国ホワイトハウスが9万6千ページ、国内でもインプレス社が1万7千ページのサイトが稼働しているのを考えると、
総ページ数だけでの非常に単純な判断ですが、三菱電機のサイト以外は、すべて Drupal で稼働できる可能性が高いです。

アクセス数などがどうなのかも関係しますが、米国ホワイトハウスよりも、見られてる量が多い企業サイトってどのぐらいなんでしょうか? 
また、セキュリティ面についても、ホワイトハウスNASA よりも上と言う企業サイトが多いのでしょうか?

ここにある事例となっているユーザー企業が、どの程度の金額で導入しているのかは不明ですが、一般的な相場では、ライセンス費用が億円単位であり、年間保守費用が、数千万円から億円単位だと推測されます。
採用時点では、商用EnterpriseCMS しか選択肢がなかったのかもしれませんね。

しかし、今の時点では、Drupal などの EnterpriseCMS よりも、費用対効果が良いとは思えませんので、多くの商用 EnterpriseCMS のユーザー企業は早急に、見なおしたほうが良いでしょうね。

他の商用 EnterpriseCMS のユーザー事例についても、また調べて記事にします。

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2. 多言語対応

多言語対応と言う面では、現状の Drupal Version 7 でも180カ国以上の言語ファイルで対応できています。商用製品の場合には、5言語から10言語ぐらいで、Drupal の足元にも及びません。

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3.多国籍対応、海外地域サポート

この点についても、Drupal は全世界で100万人を越える開発者が関わっている(drupal.org から)状況にありますし、Open Source Software でもあるので、各国各地域でサポートを提供する企業が存在します。
商用製品では、中身がわかりませんので、多言語対応した上で、さらに支社や代理店が無い限り、海外地域のサポートができませんよね。

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上記を考えても、Drupal などの主流となっている OSS を採用して、多言語対応、海外向け対応を考えるのは、費用対効果で有利と言うのが結論です。

で、しつこいですが(笑)、
9月9日に「Drupal ビジネスコンソーシアム 説明会」を開催します。10月上旬にも第2回を調整していますが、可能であれば、今回に御参加下さい。あと、残り枠は9名です。

http://kokucheese.com/event/index/211360/