NEC は垂直統合型の重要な部分を理解していない

以下の記事である。


NECが打ち出す垂直統合型システムの正体
NECが今春にもハードウェアやソフトウェア、ネットワークを一体化した垂直統合型システムを市場投入する。果たしてどんなものか。同社のキーパーソンを直撃取材した。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1301/28/news034.html



垂直統合型」は世の流れであるが、それは、単なる組み合わせただけでは無いのだと言う点を理解できていない。

この流れにおいては、ソフトウェア部分については、ソースコードまで追い掛けて自社が責任を取れるモノを提供するのが肝なのである。


Oracleの「Exaシリーズ」、、IBMの「PureSystems」、は自社製ミドルソフトと OSS の組み合わせである。HPの「Converged Infrastructure」が少々判らない部分があるが、Oracle RDBMS に Itanium CPUの事件で痛い目に遭った事を考えれば、PostgreSQL などの OSS を主体にしてくるだろう。


国産勢では日立製作所の「Unified Compute Platform」、富士通の「Dynamic Integrated Systems」があるが、日立は HiRDB、富士通は SymfoWare と言う自社製RDBMS を持っている。富士通は、PostgreSQL と SymfoWare を組み合わせて PowerGress と言う製品も提供しているぐらいである。日立も、富士通も、自社製ミドルソフトと不足部分を OSS で補強すると言う形は、海外勢と同様だ。


しかし、NECはどうするのか?
『当社はあくまでも顧客ニーズに沿ってパートナーの有力な汎用製品と組み合わせた最適なソリューションを提案』
と言う発言から、Oracle RDBMS などの自社ではソースを追いかける事もできない他社製ミドルソフトを搭載するのだろうか?


もし、そういう動きだと仮定するならば、実はまったく競合企業の本質的な動きを理解できていないと言い切れるだろう。
この予想が外れることを祈りたいが、たぶん当たるだろうなぁ。